白子の日本人とアルビノの黒人

高校の生物の授業で出てきたアルビノ。いろいろな生物に起こりうるけれども、色素異常で(多少はあるのかもしれないが)メラニンがないため色が白い。上野公園にからすのアルビノがいるから行ってみようという友達の誘いを、金銭的事情によりお断りして以来、あまり身近ではなかったが、とりあえず
アルビノ=動物」
のイメージがひたすら頭についていた。

東京写真博物館で行われていた世界報道写真展に今年も行ってきた。
写真のお勉強にもなるし、社会問題(しかもあまり知る機会を持てない問題も共に)を少しは実感できるので、去年も行ったし、できれば来年も行きたいと思っています。今回は招待券を頂けたこともあり、恵比寿まで行ってみました。

そこで今回印象的だったのは、タンザニアという黒人達の中のアルビノの写真。要はするに、骨格や顔の作りは「黒人」そのものなのに、肌が白くて金髪の人たち。殺したらいい薬になるんだという迷信のもと、あるいはただの偏見のもと、中世の魔女狩りのごとく殺されたりするらしい。1年ほどの間に25人ものアルビノが殺されてしまっているのも、遠い昔の話ではなく、確か去年とか一昨年とか、そんな話だ。そして冒頭に挙げたようにメラニンがないから、紫外線の影響で皮膚がんにものすごくなりやすい。タンザニアのようなアフリカの地で、そう健康に生きていける可能性は恐ろしく低いのだ。
実際今日見た写真にも、アルビノの親子が写っていたが、親の方は皮膚がんになってしまって仕事ができなくなってしまったという話だ。アフリカの地で、タンザニアで、日本の丸の内のビルの中のような仕事がたくさん転がっているわけでも、一般の人がそのような仕事につけるわけでもあるまい。
それでも生きていかなきゃならんのね、そこで、「黒人」として。


人のアルビノ種についてそこまで深くは考えた事はなかった。日本でも「白子」と呼ばれて昔は差別されやすかったらしいという話を母親から聞いた事はあるものの、実際会った事はないからその話はそれっきりになっていた。それにコーカソイドはもちろんのこと、日本人みたいなモンゴロイドは「白子」だったとしても、それが目立つ事は黒人たちのそれと比べてしまったらお話にならないのかな、とは思う。実際にお会いした事がないから分からないけれども。

まぁ、ともかく言いたいのは、黒人と「黒人」が並んだ写真がとても興味深かったです。
という話なだけなのだけれども。